殊：そういえば七誌。

七：何かしら？

殊：君の兄上ってどんな人？

七：あー…

確か…格闘家目指してたはずよ。
曲がりなりにも私の家は武術を学んでたから。
まぁ私は途中で武術よりも手にしたいものを見つけたけど。
兄の名前は矛盾・和幸
何が問題って軽い方向音痴なことかしら
地図持たせると迷うのよ…
持たせないで一回自力で行った場所なら迷わないんだけどね。
兄が中２の頃に突如
「ちょっと修行の旅に出てくる」
とか言い出してね…
気づいたらパスポートとか作ってたみたい。
いいのかと思ったけど親も乗り気だったし。
世界一周してくるとか言って中国行の片道航空券だけ買ってそのまま飛び出したわ
時々文通してるわ。どうやって届くのか不思議で仕方ないんだけど。
もう一年くらい経ってるわね、よく考えたら。
でもあの方向音痴だから未だに中国から出れてないんじゃないかしら？
確か手続きもままならなかったし。

…それくらいかしら？

殊：内面的に天然なのかな矛盾一家ってのは

七：問題でも？

殊：外見については一切触れないんだね

七：だって長引くもの。それに写真はこっちに来てないもの。

殊：しかしどうやって通信とってたの？

七：謎よ。鳥が家近くに来てると思ったら足に手紙が括り付けてあったり観光客が手紙わざわざ渡しに来たり。

殊：…不思議。